ブラジルで働いてみると、日本との違いに驚かされることがたくさんあります。
例えば給料制度!ブラジルにはボーナス制度はありませんが、かわりに13番目の給料日というシステムが存在します。
13番目の給料Décimo Terceiro Salário とは
ブラジルではボーナス制度に相当するものを、13番目の給料(Décimo Terceiro Salário)と呼びます。
これはその名の通り、毎月のお給料を年に12回ではなく、13回もらえるという労働者のれっきとした権利!
そのかわり、日本で一般的なボーナスはありません。
従業員や会社の業績によって上下するボーナスと違い、従業員全員が権利としてもらえるのがメリット。
頑張ってもボーナスに反映しないという点ではやる気につながりにくいかもしれません。
ブラジルには1年に1か月まるまる休暇を取れるという権利もあるので、実質11か月働いて13カ月分のお給料がもらえると思うと、ちょっと得した気分になりますね!
13番目の給料はいつもらえるの?
13番目の給料が支払われるのは年末であるのが一般的。多くの企業は11月末までに50%、12月20日に残りの50%を支払っているようです。
儲かっている会社は、6月に50%、12月に50%支払ってくれます。
13番目の給料を支払わないと、企業は従業員に訴えられてしまいます。
ブラジル人は、13番目の給料を何に使う?
12月20日までに13番目の給料が支払われるというのは、ブラジル人にとって非常に重要な意味があります。
クリスマスプレゼントを買う
ブラジルは90%がカトリックの国。彼らにとっては12月25日のクリスマスはかなり重要なイベントです。
クリスマスは、仕事が休みになり、家族で集まってプレゼントを交換したり、旅行にいったりとかなり出費がかさむ時。
そのため「13番目の給料」はもらってすぐにクリスマスで使ってしまう!という人が大半です。
借金を返す
ブラジル人は基本的に浪費家で、貯金はしません。給料をもらったらすぐ高価な物を購入してしまいます。ローンや分割払いも気にしません。
日本のように、ボーナスはとりあえず貯蓄。もしもの時の出費に備えたり。というのはすごくまれです。
ブラジルは1980年代後半すさまじいハイパーインフレに見舞われました。
一時はインフレ率が年2500%になったこともあったという過去があり、その当時を覚えている人たちは、「お金をためておいてはいけない」という思いを今でも抱えています。
今50代、60代の人たちの当時の苦労話を聞きますが
「昨日の札束が今日は紙くずになってしまった( ;∀;)」
なんて話を聞くと、ブラジル人の浪費癖も納得してしまいます。
財政難で、13番目の給料を支払えない州がある!?
13番目の給料は連邦憲法で規定されており、「企業の義務」かつ「労働者の権利」です。
これは民間企業だけではなくもちろん国にもあてはまるため、ブラジルを動かす連邦政府、州、市の公務員のみなさんも、しっかり13番目の給料をもらっています。
ところが、財政難で13番目の給料を支払えなくなってしまった州があるんです。
リオ州はオリンピックのためのインフラ整備と経済状況の悪化が重なり、2016年から17年にかけて財政がカツカツになってしまいました。
州のために頑張っている警察や学校の先生などが、連日のように抗議活動をしていました。
13番目の給料日まとめ
ブラジル人は13番目の給料日が近づく12月になるとウキウキ・ソワソワ。
レストランやバーで友達に会えば「今年は何に使うの~?」なんて話で盛り上がります。
日本はボーナスがもらえる人ともらえない人がいたりして、少し気を使う話題なのにブラジルは全員もらえるので気軽に会話できていいですよね!
日本とはちょっと違う、ブラジルのお給料制度。あなたはどう思いましたか?