日本と遠く離れたブラジルの子供たち。いったい彼らはどんな学校生活を送っているのでしょうか?
ブラジルの子供たちの学力は?大学レベルは?
そんなブラジルの教育事情について、詳しく見ていきたいと思います。
ブラジルの基本的な教育制度
ブラジルの教育制度は
- 初等教育9年(日本の小・中学校をひとくくりにしている)
- 高校が3年
- 大学が4年
の9・3・4制です。
このうち、最初の9年は、義務教育となっています。
日本と違って1日中授業あるというわけではなく、午前と午後の2部制になっておりどちらかに出席するという仕組みです。
親の仕事の都合で、午前か午後の授業を選ぶというわけ!
高校、大学レベルになると、働きながら勉強する人のための夜間コースもあったりします。
教育費は、公立ならなんと無料!高校までじゃないですよ、もちろん大学も無料です。
基本、給食も無料なので貧しい子でも通学することは可能です。
多くの子供たちが、塾に通ったり、補修や課外活動を送ったりと、少ない学習時間を補う活動を行っています。
日本より授業数が少ないので、何が削られているのかフェニーと話してみると、どうやら音楽や図工など芸術系の科目が全くないようです。
当たり前にあった授業も世界を見渡せばとても恵まれている状況なのだなと感じました。
数字で見るブラジルの就学率
現在、ブラジルの義務教育である小中学校で学んでいる子供は98%。
さらに、9年の小中学校を9年ちょうどで卒業できる子どもたちはわずかに47%。
その中でも、高校も3年で卒業できる子はたったの14%。
地方の貧しい家庭では、子供に働かせたりしているため、このような就学率になっているのですね。
少しずつ改善されてはいますが、学校に行きたいのに行けない、という子供が早く0になることを祈るばかりです。
ブラジルの学生の学力レベルはやや低い
頑張って通っていても、学力が年相応でない子もけっこういます。
私立の学校では勉強が得意な生徒が沢山いますが、公立学校の学生の学力は、総合的に見ると低いです。
公立学校の学力が低い理由は、一つは、先生の給料がとても低いこと。
週に40時間働いても、月平均1,800レアル(5万4千円)しかもらえない公立の先生。
薄給のせいで先生のレベルが低下し、学力も低下するとして社会問題となっています。
もう一つは、学校のコンディションの悪さ。
雨水のたれる校舎、壊れたトイレ、など、公立の学校は設備を直せるだけのお金がありません。政府や政治家が自分のためにお金を使い過ぎて、社会問題となっています。
経済危機のブラジルが、教育費を真っ先に削ったことで、デモも起きています。
こういった公立学校の教育事情の悪さのせいで、経済力のある家庭は子供を私立学校へおくります。彼らはよい教育を受けさせ、よい職に就くことができますが、経済力のない子供はよい教育を受けられず、よい職にもつけない、という不平等の悪循環が出来上がっています。
ブラジルの大学入試事情
ブラジルにも大学入学試験というものがあり、ENEMという、日本でいうセンター試験のようなもので学力を計る大学と、独自の試験を行う大学とがあります。
世界レベルの大学はまだまだ少ないブラジルですが、その中でも2017年の世界大学ランキングで200位以内に入り、国内大学ランキングでも常にトップを走っている、日本の東大のような存在があります。
大統領も12人輩出しているこの名門大学ですが、8,402の募集人数に対して、志願者数が13万7581人。なんと倍率は16.3倍です!
ちなみに教育熱心な日系人は学業も優秀で、一時期はUSPの学生の2割近く日系人だったこともあるそうです。ブラジルのみならず、ラテンアメリカで事実上一番難関な大学!ぜひ行ってみたいw
また、ブラジルではオンラインの大学も一般的で、フェニーの弟もオンライン大学の生徒です。
基本的にオンラインで、月に何度か学校に足を運ぶというスタイル。やはり日本とはかなり事情が違うようです。それにしても歳をとってからも勉強するなんて本当に立派!
ブラジルの教育事情まとめ
ブラジルは世界的に見ても、まだまだ教育後進国で、いろいろな問題を抱えています。
今後、経済格差、教育格差がなくなって、全ての子供たちがきちんと学べる国になっていってくれるといいなと願っています!