オマーンへ行かないか。そう連絡をもらった時はなんとなく行けないような気がしていたのだけれど、話しを聞くうちにどんどん興味が出て1年10ヵ月ぶりに海外へ行くことを決めました。
オマーンは日本人にとって未知の国。
いまわたしが行ったところで、すぐに収入につながることはないだろうけれど「オマーンを日本人に紹介する」という役割を担ってみるのもおもしろそうだと思ったのです。
これから14日間にわたる旅行記を作成し、少しでもみなさんがオマーンに行ってみたいなという気持ちになってもらえると心の底から嬉しいです。
4日目はついにマスカットを出発し、内陸部へ!
リッツカールトンで素晴らしい朝食タイムを過ごし、まずはルスタークへ向かいます。
温泉地アインアルカスファ、ルスタークフォート、アインアットワラを見学し、オマーンのグランドキャニオンと呼ばれるジャバルシャムスへ!
オマーン女ひとり旅|13泊14日旅行記4日目|マスカット
アルブスタンパレスリッツカールトン(Al Bustan Palace, a Ritz-Carlton)
今朝も早起きしてまだ人がいない時間にホテルを散策。スタッフに教えてもらった通り素晴らしい景色。
昨夜と同じく波の音に耳を傾けながらの散歩。まだ夢見心地で現実味がない。
朝食レストランもまだ開いてまもないので宿泊客もまばら。特等席に座って優雅な朝食といこう。
さすがリッツカールトンの朝食。15OMR(4,500円)するだけあってとても豪華だった。
ドリンクの種類も豊富だし、ココナッツや生絞りジンジャーまで!
スタッフもとてもフレンドリーで誰と話しても楽しかった。
珍しく中華もあったし、オムレツも美味しそうだったので注文してみる。
こんなに素敵なレストランだから誰かと一緒に来たかったなぁ。どうせ2人分無料だったんだからスルタンに早く来るよう言ってみればよかった。
どれもとても美味しかった!大満足。
散々色んな飲み物を頼んだのだけど、どうしてもリッツのカラック(カルダモン入りミルクティー)を飲んでみたくてオーダー。
街中の激安カラックも十分美味しいのであまり違いがわからなかった。
結論、オマーンのカラックはどこでも美味しい(笑)。
待ち合わせの時間、8時ぴったりにスルタン到着。
今日から5日間山岳地帯を中心にかなりワイルドな旅になるから4WDに車チェンジ。
ホテルの詳しいレビューは「リッツカールトンアルブスタンパレス(A Ritz Carlton Hotel Al Bustan Palace)」をご覧ください。
ドライブ
スルタンが朝ごはんに紅茶とサンドを買いたいというのでマスカットのティーショップへ。
ほぼ100%車社会といってもいいであろうオマーン。クラクションをプッと鳴らすと店員が注文を取りに来てくれる。
本当に便利だなぁと思うけど、オマーン人全然歩かないんじゃないかな。
散歩大好きで、ウーバーイーツすら使わないわたしからすると、ここまで便利になるとやりすぎかなと感じるけど40度も50度もする日ならやはりありがたいかもしれない。
わたしは散々食べたので何もいらないと言ったのにまたカラックを買ってくれた。ホットサンドも食べる?と聞かれたので写真だけ撮らせてもらった。
なんとパンの間に挟まっているのはオマーンチップスとチーズ!なんてジャンク!
本当にいらないの?と何度も聞かれたけど、お腹いっぱいじゃなければ食べてみたかったな。
マスカットを去ると景色がどんどん変わる。2時間ほど車を走らせるとルスタークへ到着。
ルスタックはオマーンで最も歴史のある場所のひとつと言われ、 美しいデーツ、ワディ、豊かな史跡があり、オマーンや観光客の心に人気の場所。
最初の目的地Ain al kasfah(Al Kasfah Hot Spring)へ。
アイン・アル・カスファ(Ain al kasfah)Al Kasfah Hot Spring
ルスタークには数多くの主要な観光名所があり、アルカスファ温泉はその1つ。
エメラルドグリーンの源泉を見学する。
温泉大国の日本からすると考えられないような光景だが、公衆浴場として機能している。
アインアルカスファは、水温約45度の天然温泉。
女性も入れるようなことが書いてあったような気がするけど、全然そんな気がしない。
看板には男性専用と言う文字。
水音がしたので誰かが入っているのだと思うけど、スルタンに覗いてもらって誰もいないのを確認し、中に入らせてもらった。
想像とは全く違うけれど、水はきれいだし、とても暖かいので入ったら気持ちいいだろうな。
カスファ温泉には水中に微量の硫黄が含まれており、関節や動脈の問題を抱えている人に対して治癒効果があることが臨床的に証明されているという。
記念撮影をして、次の目的地へ。
とても面白い体験だったけれど、入れないのが残念。
石が積まれていたので何か聞いてみたけれどよくわからずじまい。
ルスタークフォート(Rustaq Fort)
アルカスファ温泉からたった2キロの距離にあるルスタークフォート。
かつて首都として繁栄し、イマームAhmad bin Said(現王家サイード家の祖先)が居城した城塞。
残念ながら閉鎖中で中を見学することはできなかったので外側だけ。
オマーンの伝統的な領土(内陸部と北部の海岸)の間に位置するルスタークは、イマームに水陸の大きな権限を与えた。
オマーン史上初めて陸軍、海軍の常備軍を持ったのもこの頃。
ペルシャ湾岸諸国の中でオマーンの主導的地位を再確立させた重要な場所。空いているのは嬉しいけれど閉まっている場所が多いのは残念。
車を走らせスルタークから50キロ離れたナハルへ向かう。
ナハルフォート(Nakhal Fort)
オアシス都市として栄えたナハル。
オマーン屈指の美しさを誇るナハルフォートが見どころだが、ここも臨時休業中。
なんと基礎は前イスラム時代に遡り、6世紀にイマームが移り住んで建設されたとか。中はダンジョンのようで探検するのが楽しいらしく、大変興味深いのだが入れないものは仕方がない。
屋上にのぼるとさぞかし絶景だろうと想像を巡らせる。
中に入れないので辺りを散策していると、子供達が楽しそうに歩いている。手を振るとにこにこと近寄って来た。
子どもたちが可愛くてじっと見てたら握手しよって寄ってきて、写真撮ってあげたらお母さんが「これ食べて食べて」って差し出してきた
これがアラブ人
他人との壁が全然ない pic.twitter.com/rn41A0RM66
— マリ@旅ブロガー オハヨーツーリズム (@makiro77) December 14, 2021
写真を撮るととても喜んで、彼らの母親だろうか、女性がこれどうぞ食べてとお皿を差しだす。
パンやお肉だったら食べやすかったのに、なんとそこには予想外のものが入っていた。
ひとまず断ってみたけど何度もすすめられるので一口。食べた後もなんだかよくわからない。
こんな時期に、知らない人から道端で食べ物をもらうなんて絶対無理な人も多いだろうが久しぶりにこんな旅ができて心底嬉しかった。
ナハルフォートが見学できないのは残念だったけれど、彼らと触れ合ったほんの5分のおかげで楽しい思い出となった。
わたしが機嫌よく車に戻って来たので、何があったか話すとスルタンもとても嬉しそう。
少し車を走らせると、「そこにオマーンヤギがいるよ。」と教えてくれる。
オマーンヤギ? pic.twitter.com/MlLboSNGxV
— マリ@旅ブロガー オハヨーツーリズム (@makiro77) December 14, 2021
正直どんな風に違うのかよくわからないんだけど、わたしが知っているヤギとは確かに違う感じがする。
人や生き物との距離が近い。それだけのことのに、なんとなく安心する。
アイン・アットワラ(Ain Al Thawarah)Athawarah Hot Spring
ルスタークと同様、ナハルフォートの近くにも温泉があるという。
アイン・アットワラは特別ガイドブックで大きく取り上げられるような場所ではないがとても心地よく大変気に入った。
透き通った水にドクターフィッシュ。ちょうど良い温かさの温水で子供たちが天然のプールで遊ぶには最高の場所。
石が沢山あって滑りやすいので注意しながら歩く。
日本人には全然メジャーじゃないとこでもこんなに素敵な場所があるんだなぁ
やっぱり自分で行ってみないとよくわかんないな pic.twitter.com/ZwfzwcdKKO— マリ@旅ブロガー オハヨーツーリズム (@makiro77) December 14, 2021
スルタンはわたしがいつひっくり返るか心配だったらしい(笑)。確かに何度も転びそうになった。
ここはぜひ一瞬立ち寄るのではなく、半日ピクニックを楽しみにきてほしい。それではついに本日のハイライト、ジャバルシャムスへ!
ジャバルシャムス(Jabal Shams)
オマーンで最も標高の高いジャバル・シャムス(アラビア語で太陽の山という意味)はオマーンのグランドキャニオンと言われる場所。
オマーンにグランドキャニオン?と半信半疑だったが、本当に素晴らしかった。
どこが一番良かったかと聞かれると、景色だけならジャバル・シャムスの優勝である。
全然違う世界に来た pic.twitter.com/BunGMjPCyW
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険しい山道を順調に登っていたが、小さな村の近くで車がスタックしてしまった。
人も見当たらないし、大丈夫かなと少し不安もあったが特にわたしが手伝えることもないので静かに待つ。
5分もしないうちに岩山の向こうから若い男性がふたりやってくる。わたしたちを見るとすぐに車を救出するのを手伝ってくれた。
年に1回も車に乗らないので新鮮。男性が力仕事頑張っているのちょっといいよね(笑)
何度か石を置きなおし、色々と試して20分ほどで救出成功。おつかれさまでした~!
助けてくれた若者もとても良い人たちだったし、わたしはなぜか海外でのトラブルはあまり不安に感じないたちなので、ちょっとしたアクシデントも良い思い出だ。
でもまぁプロのドライバーでもこんなことがあるんだから、わたしは絶対レンタカーは無理だな。
ここはちょっと危ないから慎重に行こうとスルタン。絶景=崖だらけなので命がけ。
このドライブ自体がアトラクションで、お楽しみポイントらしいのだけど、車もよく揺れるし、ちょっと怖いし早くビューポイントに着かないかな~なんて考えていた。
1時間ほどゆっくり山道を進み、やっとビューポイントー!!!すごいーーー!!!!
写真の100倍すごい迫力。これは素晴らしい。
山がない国の人が来たら驚くだろうなぁ。
本当はこんな場所でタバコの1本(とうの昔にやめたんだけど)やコーヒーの1杯でも飲んだら美味しいのだろうけど何も持っていないので脳裏に景色を焼き付け山を下る。
写真の百倍迫力あるから絶対山岳リゾート楽しんでほしい!!
オマーンジャバルアクダル pic.twitter.com/XyWs5j3xwL
— マリ@旅ブロガー オハヨーツーリズム (@makiro77) December 15, 2021
旅行者にも密かに人気のアル・ハムラへ。
アル・ハムラ(Al Hamra)
アル・ハムラはオマーン北東部にある400年の歴史を持つ街。中でもミスファット村は世界の美しい村のひとつにも選ばれたほど。
街の中を散策するのもいいが、このように離れたビューポイントから街を眺めるのがいい。
同じ色彩に統一された建物が美しく、異国情緒たっぷりだ。
サッと見どころを巡るのだとばかり思っていたがスルタンが連れて行ってくれたのは意外な場所。彼の友人であるアブナイフという男性の自宅だった。
どうやら近くまで来ていると知った友人が、ぜひ自宅に遊びに来てくれと声をかけたそうで、わたしもお邪魔することに。
多くの家がそうであるように、彼の家でもおもてなしを受ける。
たっぷりのフルーツ、デーツとアラビックコーヒー。
デーツを食べ終わるとちょうどお祈りの時間でふたりがお祈りするのを見学させてもらった。
庭にはヤギ、羊、牛に鶏も沢山いて、少しばかり動物と戯れる。奥に女性の姿が見えたのでアラビア語で挨拶すると家族が全員出てきてニコニコと出迎えてくれた。
突然スルタンの友達の家に遊びに行くことになって歓迎を受けている
会って3分でシスター呼びはさすが? pic.twitter.com/ITOgVPF21d
— マリ@旅ブロガー オハヨーツーリズム (@makiro77) December 15, 2021
田舎なので女性の写真はNG。アブナイフの高齢のお母さん、奥さん、妹総出で歓迎してくれる。
わたしたちが来ると知って、屠殺したばかりのフレッシュマトンを使った絶品マクブースまで用意してくれていた。
スルタンがいるので女性陣は客間には入って来ず、全てアブナイフが仕切る。
そういえばもう17時だけどランチはまだだったな。お腹がペコペコだったので、すごい勢いでごちそうになった。
野菜とお肉とソースをたっぷり混ぜて手でいただく。こういうおもてなし懐かしいなぁ…。
アブナイフは日本車がとにかく大好きで、いつか日本のモーターショーに来るのが夢なんだって。シスター、いつでも遊びに来てくれ。と言われたので連絡先を交換した。
今でも時々どうでもいいスタンプを送り合う仲だ。またいつかどこかで会えるといいな。
日が暮れる前にホテルに着きたいのでそろそろ出発。途中まで先導してくれた。
サマ ハイツ リゾート ジェベルシャムス(Sama Heights Resort)
1時間ほどドライブしてホテルに到着したのは19時前。
無事到着できてよかった。すっかり暗くなってしまったが、車を降りるとあまりにロマンチックなフロントにドキッ。なにこれ、すごいんだけど…。
岩山の中に建つ山岳リゾートホテルってこんなに素敵なの?
平日なので宿泊客は少なく、静けさ極まる。気温も1桁でダウンを着ていても少し肌寒い。一気に冬の気配を感じる。
ボーイに荷物を運んでもらいマウンテンビューの部屋へ。
わーやばい、可愛い…。
SAMA resort &spa
かわいすぎるお部屋に山岳リゾートの雰囲気がたまらんっっ!!
やっぱこういうホテルがすき? pic.twitter.com/zI0qew1jJF
— マリ@旅ブロガー オハヨーツーリズム (@makiro77) December 15, 2021
光の感じもちょうどいいし、バスタブもあるし、エアコンをつければ温かい。
これは最高。
夕食の時間が限られているためお腹いっぱいだがレストランへ向かう。レストランまでの道も素敵。
子供がいたら1時間はつぶせそうなほど色々ある。
もう少し温かかったら外でコーヒー飲むのもよさそうだなぁ。
レストランでは数組のカップルや家族が食事をとっていた。
簡単なビュッフェスタイル。結構手の込んだものもあって嬉しい。
つい2時間前にランチを食べたばかりでどうしようかと思っていたらスルタンがテイクアウトにしてくれと頼んでいたのでわたしもお願いした。
もらった紙パックに好きなものをつめて後で部屋で食べる。
デザートまであって至れり尽くせり。
コーヒーだけ飲んでスルタンと明日の予定を確認しお互いの部屋へ戻る。
1時間くらいおしゃべりしたいところだけど、今日あったことや明日の予定を確認しないと仕事がまわらなくなるので早めに切り上げた。
旅ブロガーのつらいところであり、楽しいところでもある。
ホテルの詳しいレビューは「サマ ハイツ リゾート ジェベルシャムス(Sama Heights Resort)宿泊記」をご覧ください。
オマーン女ひとり旅|13泊14日旅行記4日目|ルスターク・ジャバルシャムス
首都マスカットを抜けると全く違った世界が広がり、今日もまた素晴らしい経験ができました。
こうやって振り返ってみても、全ての場所にワクワクし、現地の人たちと触れ合えたことが幸せでたまりません。
見知らぬ外国人に、こんな時期に、何も変わらず接してくれる人のあたたかさ。やっぱり旅はいいなと再確認させられた1日です。
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