ルーマニアのトランシルバニア州、カルパチアの真珠とたたえらるほど美しい街シナイアへ家族旅行で行ってきました!
シナイアの見どころといえば絶対に外せないのがペレシュ城とシアイア僧院。
ペレシュ城はもちろん、ルーマニア国王、ルーマニアの歴史については勉強不足でほとんど知識がありませんでしたが、ペレシュ城をはじめ本当に素晴らしい場所ばかりで大好きな国なりました。
ブカレスト発のツアーを利用し、ガイド付きでトランシルバニアを観光したので、まだまだ情報の少ないペレシュ城を詳しく解説したいと思います!
ペレシュ城を含むツアーの詳しい内容は「ブカレスト発シナイア・ペレシュ・ブラン城・ブラショフ・プレジュメール要塞日帰りツアー徹底ガイド」にまとめたのでぜひ読んでみてくださいね!
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ペレシュ城基本情報
ペレシュ城は1875年、初代ルーマニア国王カロル1世(在位1881年~1914年)が、シナイアをたいそう気に入り夏の離宮として8年の歳月を費やして建設しました。
その後も開発計画は続き、現在の姿が完成したのはなんと1914年。カロル1世死の直前のことです。
ルーマニア公国時代と合わせて48年間も在位した国王カロル1世、出生はドイツ。
ドイツ式ルネサンス建築で建てられた美しいお城は「ルーマニアで最も壮麗な城と称えられる」年中多くの旅行者で賑わっています。
実際に足を運んで納得、本当に見る場所見る場所素晴らしく、ヨーロッパで最も美しいお城のひとつにカウントされていることに疑う余地はありません。
床面積は3,200平米とフランスやイタリアの城に比べると大きくはありませんが、周りを山々に囲まれた美しい自然、外壁のフラスコ画、豪華でありながらシックな内装はどれをとっても芸術的。
また、ペレシュ城は世界初の自家発電を持った城で、セントラルヒーティングはもちろん王室用のエレベーターまで用意されているという最新技術が駆使されているお城でもあります。
また城内には妻エリサベータ、長女マリアの美しい肖像画も飾られ、さぞかし愛の溢れた家庭だったのかと思いきや夫婦仲は悪かったのだとか。
マリアは3歳で逝去し、夫婦はますます疎遠になったそうで、3歳の娘を失った悲しみを考えると胸が痛みます。
共産主義の時代、城は国に押収されてしまいます。1975年~1990年の長きにわたり、残念ながら城は閉鎖されていました。
チャウシェスクが自分の別荘として使おうとした話もありましたが、どうやら長期に渡って閉鎖したおかげで菌が繁殖したようで彼はお城を気に入らなかったようです。
カロル1世と第一次世界大戦
カロル1世の生涯について調べたことをシェアしたいと思います。歴史が苦手な方は面白くないと思うので、見どころまでとんでください。
カロル1世について調べていくと、冷淡で策略家であるという記載を見かけることもありました。
反対にとても誠実でまじめ、ルーマニアがより良い方向に進むよう人生をかけて尽力したと意見も多くの記事で紹介されています。
国王ですから、一般人のわたしにはその心労は計り知れません。
カロル1世は1866年貴族の子として誕生。
27歳の時に先代ルーマニア公がルーマニア貴族たちの反乱により退位、亡命したことを受け、縁者だったナポレオン3世の推薦でルーマニア入りしました。
1866年から1914年に75歳で亡くなるまで、48年もの長期にわたってルーマニア公、ルーマニア国王として在位。ルーマニアの経済発展に大きな影響を与えてきました。
20世紀初頭はハプスブルク家の崩壊、ロシア帝国の脅威、オスマン帝国の衰退などバルカン半島近辺も大きな動きがあった時代。
そして1914年6月28日、あのサラエボ事件が勃発します。
サラエボ事件の直後、カルロ1世はペレシュ城で会議を開き、国の方針を定める必要に迫られました。
実はカルロ1世は秘密協定を結んでおり、ドイツ、オーストリア=ハンガリー帝国、イタリアとの三国同盟に加わっていたそうです。
しかし会議で決定したのはルーマニアは同盟条約を破棄して中立の立場をとる・・・とのこと。
その決定の3ヵ月後、1914年10月10日にカロル1世はペレシュ城で亡くなりました。
カロル1世亡き後、ルーマニアは連合国側で第一次世界大戦へ参戦。
軍隊、国民あわせて115万人もの多くの犠牲者を出しました。多くの犠牲を知らずに亡くなったカロル1世はまだ幸せだったかもしれません。
ペレシュ城見どころ
それではペレシュ城実際の見どころをたっぷりと写真付きでご紹介していきます。
城内の見学は何人か集まるとグループをつくり、お城の館内職員と一緒にまわるような感じでした。
わたしたちは日本語ガイドがいたのでそのまま入場します。
国民の館も同じシステムだったので、勝手に写真を撮ったりしないようルールを設けているのかもしれません。
こういったところの見学はガイド有の方が圧倒的におもしろいのでありがたいシステムではあるものの、入場規制や待ち時間が長いことが大きなデメリットですね。
ホテルの門をくぐるとペレシュ城、ペリショル城の看板が見えてきます。
雪がうっすらと積もっているものの、時々太陽ものぞいて良いお天気でした。
カルロ1世の像出迎えてくれます。チケット売り場は混雑していることも多いので、その間に外壁に描かれたフレスコ画を鑑賞しておきましょう。
それでは内部の見学スタート!ロシアでも着用必須だったビニール袋。
お城が汚れないように子供も着用します。
オーナー・ホール(The Honor Hall)
階段を上るとまず見えてくるのがオーナーホール、儀式の間です。
天井はステンドグラスで寝転がって見上げたいほど美しい・・・。フェニーもわたしも思わずため息。
なんと稼働式のガラスで、夜、お天気の良い日には星空を見上げることができたそう。
クルミの木を使った装飾と、アラバスター石で見事に彩られています。
季節的にクリスマスツリーも飾ってありました。この品があってカラフルなクリスマスツリー!完璧すぎてうっとり。
武器庫 (The Hall of Weapons)
14世紀から17世紀にかけての、ヨーロッパ、オリエントの武器や武具、およそ4000点が展示されています。
その数、ブカレストの国立軍事博物館の次に多いのだとか。
よくこんな甲冑で戦えますよね・・・。昔の戦士ってすごいわ。あもちゃんも少し怖がりながら興味津々で眺めていました。
厳めしい顔をしているライオン。怖い・・・。
カロル1世の執務室・書斎(King Carol’s Office)
ステンドグラスが美しい書斎。カロル1世は城に招かれた客人と多くの時間を書斎で過ごしたそうです。
カロル1世の肖像画がかけられています。凛々しい顔立ち。
手掛けたのはアメリカの画家、ジョージ・ピーター・アレクサンダー・ヒーリー。
写真右上がエリザベートと娘マリアの肖像画。この歳でなくなったマリア・・・。あもちゃんと同い年。
図書室(Royal Library)
図書室には1万冊以上の本が置かれ、本好きにはたまらない場所でした。現在はブカレストの歴史博物館へ移送されたものが大半。
革のカバーには金色の文字が刻まれています。
実は写真左は隠し扉になっていて、有事の際にはここから逃げられるようになっていたそうです!映画みたいでワクワクしますね!!
音楽ホール(Old Music Hall)
音楽ホールの美しいステンドグラスはルーマニアに伝わる妖精についての昔話が描かれています。
家具にはインドのマハラジャから贈られたチークの木彫りが使われ、ステンドグラスと相まって素晴らしい雰囲気を醸し出していました。
王妃エリザベートの希望で1905年、文学サロンに改装されましたが、ピアノやハープがそのまま残されています。
写真の絵画はエリザベートが作った詩をモチーフに描かれたもの。グリーンの色合いが優しくとても上品。
インペリアルスイート(Imperial Suite)
型押しされた皮革が一面に壁面を飾る豪華な主客室。クリスタルとブロンズのシャンデリア、真っ赤なカーペットで重厚感たっぷり。
1906年カロル1世の友人であるハプスブルク家最後の皇帝フランツ・ヨーゼフを迎え入れるのに改造されました。
人気のミュージカル「エリザベート(シシィ)」の夫と言えばピンと来る人もいるかもしれません。
小さなお城に様々な歴史を感じることができ、胸が熱くなります。
フィレンツェ・ホール(Florentine Hall)
イタリアのネオルネッサンス風彫刻と絵画で統一されたホール。
ヴェネチアングラスで作られたシャンデリアは美しい輝きを放ちます。
壁にかけられている鏡は、真下に立つとちょうど対面の絵画がうつりこむように設計。
これだけ多様な色彩や模様を使っているのに全く下品になりません。
どうやったらこんな風に知性を感じる雰囲気が出るのでしょうか・・・。
トルコ風サロン(Turkish Salon)
絨毯とペルシャ真鍮で飾られた異国情緒たっぷりのサロン!
喫煙エリアとして使用されていたそうで、寄木細工の周りには背の低い椅子と壁に埋め込まれたトルコ式ソファーが設置されています。
ムーア風ホール(Moresque Hall)
ムーアはイスラム教徒の呼称。とってもイスラム風でわたしの大好きな雰囲気!トルコ風サロンといい、ムーア風ホールといい・・・こんなところに住みたい(笑)
ミフラーブもあるので、ムスリムのお客様が来たときはこのお部屋で礼拝していたのかもしれません。
アルハンブラ宮殿の影響を受けており、なんともエキゾチック。
ダイニングルーム(Dining Room)
一度に36人が座れるドイツ・ネオルネサンス様式のダイニングルーム。
要人と食事をするスペースとあって絨毯から天井まで素晴らしい装飾が施されています。マインツ出身のデザイナーCarl August Bembéによって手掛けられたもの。
日によってマイセンの食器が並べられることもあるそう。
劇場ホール(Theater Hall)
劇場ホールもまたすごい。座席数は60で、なんと天井画は無名時代のミュシャ。そしてあのグスタフ・クリムトとフランツ・マッシュ。
無名時代に取り上げるなんて先見の明がありますよね。
その他にもシーザーカエサルやクレオパトラのタペストリーがかけられていたり、
階段、廊下から全ての部屋に細かい装飾が施され、ペレシュ城を見たことも聞いたこともなかった人でも存分に満足いくことと思います。
冬季はオフシーズンなのでゆっくり見学できてとても良かった。
帰国後も様々なことに思いを馳せ、また別の季節に必ず再訪したいと願っています。
ペレシュ城行き方・アクセス
鉄道で行く
ブカレストからシナイアまでの所要時間は1.5~2.5時間。
RE《各駅停車》1等車:30.3レイ(約760円)19.3レイ(約485円)
IR《急行》1等車:56.7レイ(約1400円)、2等車:39.5レイ (約1,000円)
3歳以下の子供は無料ですが、席を確保したいのであれば支払いが必要。わたしたちはブラショフ⇔シギショアラ間は有料席、3席予約しておきました。
ブラショフからシナイアまでの所要時間は1時間。
RE《各駅停車》1等車:13レイ(約330円)、2等車:7.8レイ (約200円)
IR《急行》1等車:24.1レイ(約600円)、2等車:16.9レイ (約430円)
この区間は時間がほとんどかわらないのでREを選んだ方がお得かも。
駅からはシナイア修道院を経由しつつブラブラお散歩するのもおすすめですが、坂があるので荷物が多いならタクシーの方がいいかも。
ツアーで行く
わたしのおすすめは日本語ツアー。
日本語のガイドがいなくても楽しめるよう、ブログに詳しく解説を載せましたが、やっぱりその場で質問をしたり日本語で説明があるとかなり分かりやすいです。
周辺のブラン城や世界遺産の要塞を周るツアーもあるのでぜひチェックしてみてください。
わたしが実際に利用したツアーは「ブカレスト発着のトランシルバニアツアー」です。
時期によって催行していないことがありますが、Exact Tourという会社を利用しました。
ペレシュ城の料金・営業時間・所要時間・レビュー
ペレシュ城の入場料金
大人 30レイ
学生 7.5レイ
年金受給者 15レイ
内部の写真撮影には、追加で35レイ(約900円)が必要でした。入場料より高い(笑)
さすが旧共産主義国。ペレシュ城以外にもルーマニア、ブルガリアの主要な教会、博物館では写真が有料であることが多々ありました。
ペレシュ城の休館日・営業時間
営業時間は期間によって違うので、事前に最新情報を確認しておいた方がいいでしょう。
2020年1月2日-2020年1月31日
月 休館日
火(1階のみ)9:00~16:15
木~日 9:15~16:15
2020年2月1日-2020年3月30日
月・火 休館日
水 11:15~16:15
木~日 9:15~16:15
2020年3月31日〜2020年12月31日
月 休館日
火(1階のみ) 9:00~16:15
水 11:15~16:15
木~日 9:15~16:15
ペレシュ城の所要時間
所要時間は駆け足で1時間、ゆっくり周って2時間くらいあれば大丈夫だと思います。
それほど広くないので外観のみ見学するなら30分もあれば十分かもしれません。
内部も素晴らしいのでぜひ見学していただきたいですが、外から写真を撮るだけでもとっても絵になります。
ペレシュ城の口コミ・レビュー
老若男女問わずペレシュ城の口コミはかなり良いので、どんな方でも楽しめるはず!
フォフィアから往復270KM離れたところに佇む僧院は重厚さと広さに圧倒されてしまいました。曇りのため低い雲が立ち込めて周りの山々は裾だけ見えるだけでした。
僧院の大きさや形、色使いは初めて見るものでした。僧院は4時まで見学可能のようでしたが、4時過ぎで内部を見せてくれました。写真は禁止のようで撮れませんでしたが内部の重厚さやフレスコ画など楽しみました。
建物の外側は写真撮影可能なので、できる限り撮ってきました。入口上部のフレスコ画も実に見ごたえがありました。 (TripAdvisor)
ペレシュ城まとめ
ペレシュ城について何も知らないため特に期待しておらず、実際行ってみて驚きました。
お城好きにはたまらない外観、内装の素晴らしいルネサンス様式のお城は見ごたえありでかなりおすすめです。
帰国後さらに詳しくルーマニアの歴史や王室について調べるきっかけとなり、大満足の滞在でした!
わたしたちは冬のオフシーズンに訪れましたが、春から秋にかけてもまた素晴らしい景観だそう。
ハイシーズンはかなり待ち時間もあるようなのでツアーで効率的に周るのもいいですね。参考になると嬉しいです。
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