イタリアはモータリゼーションの国と言われ、タクシーはともかく、バス・電車・地下鉄は安くはあっても《不便!汚い!治安が悪い!》の3点セットで放置されていました。
加えて鉄道は、しょっちゅう遅れるというマイナス要素も!観光では使うのをためらった人もいるんじゃないでしょうか。
ところが近年、環境問題に対する規制の強化と意識の高まりにより、公共交通機関を整備するところが増えてきました。
とうの昔にトラムがなくなった街で新しい路線が開通したり、列車に新車両が入ったりと動きが活発。鉄道でも高速路線が急速に発達し、旅行者にとっても、どんどん便利なツールになってきています。
今回の記事ではイタリアの公共交通機関の使い方について、できるだけ詳しくまとめてみました!
イタリアをもっと知る
このページの目次(もくじ)
イタリアの公共交通機関の注意点!
イタリアの公共交通機関は基本的にそれぞれの地方自治体に運営会社があります。
切符は事前購入
日本と同じでどこも共通して、切符は事前購入必須。
日本と違うのは購入場所です。タバコ屋(キオスコ)や新聞スタンド(エディーコラ)、バールなどで買えるので便利?!
刻印システム
そして絶対に忘れてはいけないのが列車や地下鉄ならホームに出る前、またバスやトラムであれば車内で、刻印機を通して切符に印字すること!!
刻印を怠ったままの乗車は違反とみなされます。抜き打ちで回ってくる検札に当たると、60ー80ユーロ近い額を”罰金”として取られることもあるので注意。
残念ながらイタリアで交通機関用のプリペイドICカードは普及していません。というより、基本的にありません。
ローマやミラノ、トリノにナポリなどにはICカードを読み取って切符を認証するシステムが広がっていますが、もっぱら定期券用。1日券や回数券などは、別途チケットを購入することになります。
イタリアの地下鉄
イタリアに地下鉄があるのはローマ、ミラノ、トリノ、ナポリ、ジェノバ、ブレシア、カターニアの7都市。
最も発達しているのはミラノで、4路線で述べ97km。
2023年にはリナーテ空港から市中心を通し西部へ抜ける路線が開通する予定です!
地下鉄の切符の買い方
タバコ屋か新聞スタンド、バールで事前に購入するか、地下鉄の場合大抵の駅に自動販売機や切符売り場があります。
地下鉄の乗り方と注意点
大抵どこの路線でも、改札ゲートに切符を通し、刻印されると通過できる仕組みになっています。
そして原則1路線につき1枚という計算になっていますが、切符は捨てずに持っていてください!
刻印してから75〜90分間は有効期間とみなされるため、その間はバスやトラムなどに乗り継ぎも可能。
ただしナポリの場合は、地下鉄や市内を走る鉄道などの片道切符(1.1ユーロ)が存在し、これだとバスには乗れません。
イタリアのバス・トラム
少し前まではオンボロで、在住者や旅慣れた人でなければ利用するのが難しかったバスですが、最近主要都市では車両の入れ替えが進みだいぶキレイになってきました!
加えてGoogleマップなどの進化によってどのバスに乗ればいいか簡単にわかるようになり利便性がとっても上がったと思います。
バス・トラムの切符の買い方
地下鉄と同じくタバコ屋か新聞スタンド、バールで事前に購入します。
ただし、空港連絡バス、郊外行きバスは車内でも切符が買えます。
トスカーナの小さな街めぐり、北イタリア山間部への旅行、またプーリア州やシチリア島、サルデーニャ島では中距離バスが便利!
主要の街にはバスターミナルがあり、使いこなせば旅の強い味方!もちろん、切符はバスターミナルでも買えますよ♪
バス・トラムの切符の乗り方と注意点
切符を事前にどこかで買ってきて、乗るところまでは地下鉄と一緒。
ただし、地下鉄と違ってこちらはゲートがありません。
車内にある刻印機を必ず通してください!万が一忘れてしまうと検札が来たとき大変な目にあいます…。
旅行者だから大目に見てくれる優しい人もいれば、虫の居所が悪くとことん容赦しない人もいます。
バスもトラムも基本的に乗り方は変わりません。トラムはバスの1路線だと考えればちょうどいいかもしれません。
主要都市のバス、トラムの料金や有効時間は次のとおりです。停留所や範囲などはそれぞれのリンクから運営会社のサイトを見てください。検索機能があるサイトもあります!
都市 | 料金・有効時間 | 公式サイト |
ローマ | 1.5ユーロ/100分まで | ATAC社公式サイト |
ミラノ | 2ユーロ/90分まで | ATM社公式サイト |
トリノ | 1.7ユーロ/100分まで | GTT社公式サイト |
フィレンツェ | 1.5ユーロ/100分まで | ATAF社サイト |
ナポリ | 1.6ユーロ/90分まで | ANM社サイト(イタリア語) |
トリノの場合、刻印機ではなく電磁ペーパー式の切符を読み取り機にかざす方法となりました。音がなるまで切符をかざしてくださいね!
イタリアの高速鉄道
近年のイタリアは、高速鉄道路線の整備がめざましい勢いで進んでいます。
ローマ=ミラノ間は最短で3時間を切るようになり、航空からシェアを完全に奪ってしまいました。
通常でも2時間かかる上に遅れが当たり前だったローマ=ナポリ間も1時間少々。
ミラノからフィレンツェ、ヴェネツィアへも日帰りで足を伸ばせるようになりました!
イタリアではイタリア国鉄が路線の所有と整備にあたり、そこを国鉄系の大手「トレニタリア」ならびに「NTV」の旅客鉄道会社が借り上げ、それぞれの会社ので特色のある高速特急列車を走らせています。
トレニタリアの「フレッチャ Freccia」シリーズ
大手トレニタリアは、営業最高速度と所要時間、並びに行き先によって「フレッチャロッサFrecciarossa」「フレッチャルジェント Frecciargento」「フレッチャビアンカ Frecciabianca」と3タイプの高速特急列車を走らます。
旧国鉄系の強みを生かし、本数は圧倒的!これら3つの特急は、大まかに色で見分けられます。
フレッチャロッサFrecciarossa
赤い「フレッチャロッサ」は営業最高速度が時速300kmに達する最高峰の超特急。
高速専用線を通ってサレルノ=ローマ=フィレンツェ=ボローニャ=ミラノ=トリノを結ぶほか、ローマやトリノ、ミラノからヴェネツィアへと伸び、北はウディネ、南はレッチェまで行くものも。
日本の新幹線とは違って、新幹線と在来線の線路幅が一緒なので、目的地まで乗り換えなしで行くことも。
車内はなんと驚きの4クラス編成で、最高峰のExectiveは飛行機でいうところのファーストクラス!
フレッチャルジェント Frecciargento
赤を差し色に使ったシルバーの「フレッチャルジェント」は営業最高速度が時速250kmまでの、少し小柄な車両。
カーブが多く、フレッチャロッサの車輌が入りにくい地方路線に伸びています。
目的地はローマからヴェネツィア、ベルガモ、ヴェローナ、ボルツァーノ、バーリ、レッジョ・カラブリアなど。
フレッチャビアンカ Frecciabianca
白の「フレッチャビアンカ」は営業最高速度が時速200kmで停車駅の多い地方路線が中心。
フレッチャビアンカよりやや安い都市間連絡急行として「インターシティー(Intercity)」というものもあります。
NTV社の「イタロ」
トレニタリアと激しい競争を繰り広げているのが、私鉄のNTV『Nuovo Trasporto Viaggiatori(新旅客運送)』。
NTVが走らせる最高時速300kmの超特急が「イタロ Italo」です。
高速専用線を通ってサレルノ=ローマ=フィレンツェ=ボローニャ=ミラノ=トリノ、そしてヴェネツィアやヴェローナまで伸びています。
会社の規模を生かし圧倒的な本数を走らせるトレニタリアに対し、こちらはサービスで勝負。
車内も4クラス備える一方で、値段設定はリーズナブル。さらに行きにくい目的地には連絡バスも運行しており、一括で切符を購入できます!
高速鉄道の切符の買い方と注意事項
切符は窓口か駅の自動販売機で現金かクレジットカードを使って購入します。
駅で購入するときには、くれぐれも身の回りに気を付けてくださいね!
後ろに背負ったカバンからものをすられたり、購入のやり方を教えるフリして盗みに入るかお金をせびるような輩もいます。
おすすめはネット購入!日本の新幹線などとは違い、事前割引が充実しています。
ただし、時刻変更やキャンセルなどに制限があるので注意。また、ネット購入は刻印が省略されるため、改札や印字なしでそのまま乗車できのもメリット♪
Eメールで送られる切符を印刷したものか、メールを取り出せるスマートフォンなどを持って乗車しましょう。
公式サイトトレニタリア社
公式サイトNTV社 「イタロ」
イタリアの在来線・地方鉄道
イタリアの在来線の大部分はトレニタリア社が列車を運行。ロンバルディア州を中心とした地域では「トレノルド社」が運行しています。
切符の買い方は上記と同じ。一方でトレノルドの運行するものはトレニタリアの公式サイトからもネット購入できます。
イタリアのタクシー事情&使える配車アプリ
タクシーの乗り方・初乗り料金
タクシーは白塗り。流しは基本的にいないので、駅や広場など特定のタクシー乗り場から乗ります。
ただし屋根の上の「TAXI」という表示が点灯しているものについては、路上で呼び止めることができるという”裏技も”あります!
初乗りは各地域によって違い、だいたい6ユーロ前後でしょうか。
地域によっては、行き先によって固定料金を設定しているところがありますが、客側が黙っていると、メーター通りに高い料金を請求されてしまう場合があるので、乗ったらすぐに運転手と確認しましょう!
配車アプリは「MyTaxi」が一般的
イタリアでの配車アプリはUberではなくMyTaxiが一般的です。
イタリア・公共交通機関まとめ
一時期に比べれば、旅行者でもずいぶん利用しやすくなったイタリアの公共交通機関。
最近はネットで時間も調べやすくなりましたし、使いこなせば「え、こんなところ車なしで行けるの!?」というような場所にも案外辿り着けたりするものです。
自由に好きなところを回れるのは、個人旅行の良いところ。身の回りのものに注意し、しっかり計画を立てながら、いろんなところを回ってみましょう!
イタリアをもっと知る
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