ブルガリアで最も人気の世界遺産リラの僧院。雪が降り積もる冬のある日に家族で行ってきました!
ブルガリアの歴史については勉強不足でほとんど知識がありませんでしたが、リラの僧院をはじめ本当に素晴らしい場所ばかりで大好きな国なりました。
ソフィア発のツアーを利用し、ガイド付きでリラの僧院、ボヤナ教会、ソフィア市内を観光したので、詳しく解説していきたいと思います。
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このページの目次(もくじ)
世界遺産リラの僧院見どころ・観光情報
歴史
リラの僧院は1983年に世界遺産に登録された、ブルガリアの正教会。
伝承によると、927年〜968年にブルガリア皇帝であったペタル1世統治時代に、イヴァン・リルスキーによって設立されたと考えられています。
イヴァン・リルスキーはいわゆる世捨て人。
親の死後に全財産を配り、修行生活へ入ります。その後現在のリラ山脈にたどり着き、生涯を終えるまで神の声に耳を傾け続けました。
そのイヴァンを慕い、多くの僧がこの山に集まり僧院が建てられ、リラの僧院に発展していったと言われています。
10世紀から建設が始まり、現在の姿が完成したのは14世紀のこと。
首都・ソフィアから南に120kmのリラ山脈の奥に位置しており、その美しい外観と迫力満点のフレスコ画を一目見ようと、世界中から観光客が訪れています。
入口
リラ僧院の外壁。美しいブルーが目に飛び込んできます。普通の教会と違って城壁に囲まれ要塞のような造りになっています。
ルーマニアの世界遺産、プレジュメール要塞教会を思い出します。
美しい入口から入場。
細部に至るまで本当に素敵・・・。
ついに到着!!やっぱり要塞教会と同じ。びっしりと壁際が部屋で埋まって壮観です。
そしてリラと言えばなんといってもこのデザイン!
しま模様って教会には絶対合わないと思うのだけど、なぜだかぴったり調和している不思議な空間。
ブルガリア最高の芸術家たちの実力、さすが。
聖母誕生教会のフレスコ画
リラの僧院の見所は何と言ってもフレスコ画でしょう。
ブルガリアでは、オスマン帝国の支配下であった1396年から約500年間、キリスト信仰と自国の言語の使用を制限されていました。
バヤジト1世、メフメト1世、ムラト3世の勅令やトルコの資料をひも解くと、リラだけがキリスト教の特権を保持していることが確認できます。
それなりに攻撃を受けたりはしているのですが、守るための武器が与えられるなど、とにかく優遇されました。
そのため、リラ僧院はブルガリア人の心の拠り所となり、15世紀に修道院が立て直されたのち、ブルガリア最大の執筆拠点となります。
第二次世界大戦で日本が敗戦した時も、天皇制は残りました。状況は少し異なりますが、戦争に勝っても全てを奪うのではなくある程度緩和することが統治の秘訣なのかもしれませんね。
たった数時間で新築の木造建物が焼け、スプーン、布団、衣類の生活品もなくなりました。
一度は失われかけた僧院ですが、建築家、芸術家が結集し、19世紀後半に再建させます。
リラの僧院は民族復興の希望であり、ブルガリア国民の信仰の支えでした。
再建時に壁、柱、梁、天井を埋め尽くす極彩色のフレスコ画が完成。
リラの僧院のフレスコ画はその美しさだけではなく、ブルガリア国民の魂のこもった芸術であると言えます。
上層へ行くほど神の近くへ、下層へ行くほど地獄が待ち受けかなりおどろおどろしい描写が目につきました。
多くの芸術家によって描かれたフレスコ画ですが、ザハリ・ゾグラフだけが作品に自分の名を残しています。
聖母誕生教会
フレスコ画以外にも教会の廊下には聖水の壺が置かれていたり、クルミの木から木彫りで仕上げた装飾も見事。
中は撮影禁止です。金色に輝く眩いばかりの教会内部は行った人だけが感じられる特別な空間でした。
聖母誕生教会で大切にされている宝物が3つあります。
- イヴァン・リルスキーの聖遺物を収めた棺
- 奇跡を起こすオセノヴィツァ生神女のイコン
- 奇跡を起こす聖イヴァン・リルスキーのイコン
それぞれに長いエピソードがあるので、興味のある方はぜひショップでガイドブックをチェックしてみてください。
教会脇にひっそりとたたずむイヴァン・リルスキーの墓も忘れずに。
フレリョの塔
1833年の火災を唯一免れたのが、このフレリョの塔。入場料は5レフ(約320円)。
14世紀当時の姿を残す貴重な建物。1階はお土産屋さんになっていました。
素晴らしい保存状態。バルカン半島で当時よく建てられた石造りの建物。
高さ24m、地下には井戸があり、最上階の5階には小さな礼拝室があります。
裏手に立ってみ比べると全く違うことがよくわかりますね。
とても寒かったけれど、雪やつららがリラの美しさを一層際立てていました。
歴史博物館
歴史博物館へも行ってみました。ガイド付きだったおかげもありめちゃくちゃおもしろかったです。
入場料は8レフ(約500円)。英語ガイドをつけると20レフ(約1300円)ですが、できればつけることをおすすめします。
絶対に見逃せないのがラファエルの十字架。縦81cm、横43cmの木製の十字架は一見普通の十字架に見えますが、目を細めてじっくり見てください。
なんと140の聖書のシーンが描かれており、登場人物は驚きの1,500人。ミニチュア好きは興奮すること確実です。
12年もの歳月をかけ、ついには視力を失ってしまったラファエル渾身の作品です。
その他、盗賊からの攻撃を防ぐための武器や、凱旋旗、タペストリーのような豪華な布に描かれた絵が数多く展示されています。
世界遺産リラの僧院へ宿泊
リラの僧院は宿泊可能。じっくり滞在したい人には密かな人気となっています。
管理オフィスへ連絡し、空いていれば格安で世界遺産へ宿泊できるのですからこれは特別な体験ですね!!
我が家は小さな子連れで騒がしいので今回は日帰りツアーで十分でしたが、機会があればいつか泊まってみたいものです。
世界遺産リラの僧院のお土産
小さなブックショップと、フレリョの塔にお土産屋コーナーがありました。定番のポストカードが人気のようです。
教会関連のグッズ。かなり貴重なものなので、お気に入りのものがないか探してみてください。
リラの僧院の口コミ・レビュー
老若男女問わずリラの僧院の口コミはかなり良いので、どんな方でも楽しめるはず!
ソフィアから大分離れたところにある修道院。人里離れたという形容にふさわしく、下界からは隔絶された感のある素晴らしい場所。ます料理が名物。フレスコ画も素晴らしい。
(Googleレビュー)
世界遺産リラの僧院行き方・アクセス
バスで行く
リラの僧院へはバスで移動することができます。ツアーよりも割安なので節約派におすすめの移動手段。
まずソフィア市内からバスターミナルに向かいます。ホテルからバスターミナルまでは、タクシーかバス、もしくは路面電車を使いましょう。
バスの場合はSofia Central Station行き、路面電車は5番の電車に乗車。
バスターミナルに着いたらリラの僧院(Rila Monastery)行きのバスを探してください。
乗り遅れたら終わりですね…。
しかもバスの時刻は一定ではなく変わりやすいので、向かう前日などのバスターミナルで時刻表を確認しておくと確実だと思います。
バスターミナルには「Rila Monastery」と書かれた看板があるので、その看板の前でバスが来るのを待ちます。
チケットは乗車時に運転手から買います。片道11レフ(約660円)です。
この時バス乗り場が混雑しやすいので確実にいい席を確保するために少し早めに並んでおくのがおすすめ。
3時間ほどバスに揺られると到着です。帰りのバスも1日に1本しかないので注意してください!
ツアーで行く
1日1本のバスは子連れのわたしにとっては大きなデメリット。
ツアーのメリットはバスの時間を気にしないこと、ガイドの解説を聞きながらしっかり観光できることとかなり大きいです。
当然割高にはなりますが、ここまで来たので時間短縮、安心料と思えば全然OKです。
ツアーは現地で申し込めるものから、日本で申し込むものまで様々。
現地で申し込む場合、現地の旅行会社もしくはホテル・ホステルに尋ねてみましょう。
リラだけであれば30ユーロ(約3510円)前後~。日本で申し込む場合はネットで検索するといくつか出てきます。
また、日本語でのツアーも1万円前後と割高ですが用意されています。
わたしのようにしっかり説明を聞きたい人は早めに日本語ツアーを申し込むことをおすすめします。
世界遺産リラの僧院の料金・営業時間・所要時間・レビュー
リラの僧院入場料金
リラの僧院自体の入場料は無料です!
世界的な観光地にも関わらず入場が無料なのは大変珍しいですね。
ただしバスの場合、帰りまでの時間を潰す場所がなく、レストランはかなり割高です。
節約したい人は何か持参してもいいかもしれません。
リラの僧院休館日・営業時間
ガイドブックを見る限り、聖母誕生教会の基本営業時間は7:00~20:00です。
歴史博物館は夏季8:30-19:30、冬季8:30-16:30。
定休日はありません。
営業時間は期間によって違うので、事前に最新情報を確認しておいた方がいいでしょう。
リラの僧院の所要時間
所要時間は駆け足で1時間、ゆっくり周って2時間くらいみておけば大丈夫です。
それほど広くないので外観のみの見学で博物館に入らないなら30分もあれば十分かもしれません。
博物館も素晴らしいのでぜひ見学していただきたいですが、外から写真を撮るだけでもとっても絵になります。(ガイドがないともしかしたらつまらないかも・・・)
世界遺産リラの僧院の見学マナー
リラの僧院は現役の教会でもあります。
服装に気を付ける
基本的に教会では露出の高い服装はNG!ミニスカート、短パン、タンクトップなどは避けましょう。
寒いからか帽子は外していない人が大半でした。
信仰の方の邪魔にならないよう静かに見学
観光スポットでもありますが、お祈りを捧げる信者の方々も訪れる神聖な場所でもあります。
大きな声でおしゃべりしたり、ズカズカと割り込んで写真を撮ったりは絶対やめましょう。
写真撮影は禁止
外観は問題ありませんが、内部の写真撮影は禁止されています。
歴史博物館、イコンギャラリーも写真撮影は不可なので気をつけましょう。
リラの僧院まとめ
ブルガリアの中でも訪れるべき名所の1つ、世界遺産リラの僧院。
場所は市内から少し離れていますが、一見の価値ありです!ブルガリアではどの街もとても楽しみましたが、リラの僧院は特別強く印象に残っている場所となりました。
時間を有効活用したい人、詳しく解説を聞きたい人には圧倒的にツアーがおすすめです。ぜひ検討してみてください♡
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