パンテオンとは、「すべての神々」という意味で、現在では万神殿と訳されることが多いです。
観光地として特に有名なのが、ローマとパリのパンテオン。
ローマのパンテオンは、約2000年前に建てられた世界最大の石造り建築で(118年から128年にかけてローマ皇帝ハドリアヌスによって再建されたもの)、人気ぶりからか、2023年から有料化されました。
現存するものは125年に再建されたものですが、はじめてパンテオン内部に入った瞬間は息を呑みました。
造形が美しいとか、歴史的意義とか、そういうものをすっとばして、
「異次元空間みたい!!」と感じたのです。
古代の建築をみているような気もするし、遠い未来の建物のような気もする。
また、パンテオンは「ダ・ヴィンチ・コード」で有名なダン・ブラウンの同シリーズ「天使と悪魔」でも登場します。
こんな空間で主人公のラングドンが思考を巡らせ、自らの知で敵を追っていくとは、なんて演出なんだろう!
ラファエロの墓にある名前が、謎解きのキーワードとして出てくるので、もし時間があれば作品を堪能してから観光してみてくださいね♪
今回の記事では、そんな不思議な感覚を体験できるパンテオンについて、詳しくご紹介していきます!
このページの目次(もくじ)
パンテオンの観光情報
歴史と成り立ち
かのミケランジェロが「天使の設計」と賞賛したパンテオン。その歴史をみていきましょう。
戦争や反乱の続いたローマに、奇跡的に訪れた「パクス・ロマーナ(ローマの平和)」の時代。
皇帝は技術者集団を招集し、浴場や水道などの多くの公共施設を建設していきます。
パンテオンもその一つで、初代皇帝アウグストゥスの右腕として活躍した武将アグリッパにより、紀元前25年に建設されました。
残念なことに、パンテオンは約100年後に火災で焼失。時の皇帝ハドリアヌス帝により、125年同じ場所に再建されました。
現在の建物は再建されたものとはいえ、その後2000年近くに渡りパンテオンは存在し、実際にこの目で見ることができ、歩けるというのは、奇跡としかいいようがありません。
「万神殿(あらゆる神々を祭る神殿)」として建設され、313年にキリスト教が公認されるまでは、市民はそれぞれが信じる神に祈りをささげるため、パンテオンを訪れていたそうです。
その後、392年にはテオドシウス帝によりキリスト教が国教化。パンテオンも7世紀にはキリスト教の聖堂に転用されました。
今では一般の観光客にも開放されているとはいえ、土曜日曜にはミサが執り行われ、未だ宗教施設であることは変わりありません。
訪れる際には服装やマナーには注意しましょう。
パンテオンの見どころ
「パンテオンを見ずしてローマを去る者は愚かなり」という言葉があります。
実際にパンテオンの姿を目前にし、内部に足を踏み入れると、有無を言わさず、その言葉通りと頷いてしまいます。
それでは見どころをみていきましょう!
外観(前部建物)
パンテオンを訪れると、まず最初に前述した8本(奥を含めると16本)の円柱に支えられた、古代ギリシャ様式の屋根が付いた建物が見えてきます。
巨大な建築に圧倒されますが、こちらの円柱(ポーチ)は、1本の直径が1.5m、高さは11.8mも!
ポーチはすべて、エジプトから運ばれてきたもの。
梁の部分には武将アグリッパの名前が刻まれています(AGRIPPA、アグリッパの名前はトレビの泉の記事にも登場します)。
円柱を横目に奥へ入っていくと、パンテオンの入口です。
この入口扉もまた巨大で、2世紀に作られたものだと言われています。
クーポラ
パンテオンの前部分は古代ギリシャ様式ですが、後部のドーム型部分はローマ様式です。
入口を入ってまず目に飛び込んでくるのは、クーポラ(丸屋根の部屋)の天井部でしょう。
ドーム部分はコンクリートでできており、木製の型枠を使って打設されています。
円筒の下部は厚さが約6メートルで、ドーム上部へ行くにつれ壁厚は薄くなり、最頂部では1.5メートル程度になります。
ドームの最上部には、直径9メートルの穴があいており、ラテン語で「Oculus=目」と呼ばれるこの穴からは、神秘的な光が差し込んできます。
採光の役目だけでなく、光を利用した日時計もあります。
また、オクルスはガラスなどがはめ込まれておらず、そのまま外気へと通じています。「雨が降ったらどうするのだろう?」と疑問に思いますよね?
実は構造上、穴があることで内部の空気は上昇するように流れていくらしいのです。
雨が降っても空気が雨粒を外側へ跳ね返してしまうので、さほど建物内に水は入ってこないとのこと。
2000年前のローマ建築技術、恐るべし!!
ラファエロの墓
パンテオンにはイタリアの偉人たちの墓があります。旅行者から最も関心を集めているのがラファエロ。
巨匠ラファエロは、この見事なパンテオンに埋葬されることを希望したのだとか。
わずか37歳でその若き才能は生涯を終え、クーポラの左側奥に安置されています。
ヴィットリオ・エマヌエーレ2世の墓
また、イタリア王国の初代国王ヴィットーリオ・エマヌエーレ2世もパンテオンに眠っています。
その他第2代国王ウンベルト1世や王妃マルゲリータも埋葬されています。
パンテオンのアクセス・行き方
メトロで行く
最寄駅:地下鉄A線Barberini駅から徒歩で約15〜20分
駅からはトリトーネ通りをまっすぐ進み、突き当りにぶつかったらコルソ通りを右折。
その後イン・アクイロ通り、オルファに通り、ミネルヴァ通りを進んでいくと、パンテオンに到着します。
バスで行く
バスで行くなら、Argentinaで下車しましょう。徒歩約4分。
バス路線:916, 40, 30, 492, 87, 62, 64, 81, 628, 40, 46, 70
La Feltrinelliと書かれた赤い看板(書店)の近くにバスが停まるので、大通りから、その書店の横の通り(ロトンダ通り)に入って直進すると、パンテオンが見えてきます。
パンテオンの営業時間・所要時間・口コミ
パンテオンの入場料金
- 大人5ユーロ
- 17歳以下無料
パンテオンのチケットはGetYourGuideで事前にネット購入可。
※毎月第一日曜日と ローマ在住者や未成年者、教会のミサへの参加者は入場料無料
パンテオンの営業時間・休館日
- 営業日
8:30-19:30(月〜土)
9:00-18:00(日)
9:00-13:00(祝日) - 定休日
1月1日、5月1日、12月25日
※土曜17:00〜、日曜10:30〜はミサが行われるので入場禁止
※入場は閉館の15分前まで
過度な露出での服装では入場できません
パンテオンの所要時間
外部、内部あわせてじっくり見て周って、1時間弱程みておけばOK
パンテオンの口コミ・レビュー
あのミケランジェロに「天使の設計」と云わしめた、建造から2000年という驚異の建築物、パンテオンです。
今尚当時のローマ建築技術の高さが伺える素晴らしい建物です。また、建物裏側にも回れますので正面とはまた違う雰囲気を味わってみるのも良いかと思います。(Googleレビューより引用)
パンテオン周辺の治安
ご存じの通り、ローマの治安はあまりよくありません。
旅行者の多い場所であれば、それほど危険ということはありませんが、テルミ二駅周辺やヴィットリオ・エマヌエーレ広場周辺は移民やホームレスが多く、多くの旅行者がスリや強盗に遭遇しています。
パンテオン周辺は朝から夜まで観光客でいっぱいなので、怖い思いをすることはないと思いますが、ミサンガ売りやスリには気を付けてくださいね!
ローマでブランドや高級品を購入した後はメトロは使わずタクシーでホテルに戻るか、ショッピングバッグに入れ替えて移動することを強くおすすすめします!!
スリ対策の基本
このエリアに限った話ではありませんが、イタリア旅行ではスリとの遭遇が日常茶飯事です。
万が一に備えて準備しておきましょう。
たとえば
- 海外旅行保険付帯のクレカを使う
- 現金は100ユーロ以下で基本クレカ払い
- 高くても治安重視でホテルをとる
などは必須レベルでおすすめしたいです。
特にホテルの立地は身の安全を確保する意味で超重要。
わたしがローマで宿泊におすすめしている地域は下記の3つ。
金銭的に余裕があるのであれば、ヴェネト通り周辺に素晴らしい高級ホテルがたくさんあります。
テルミニ駅周辺や郊外の安宿は危険なのでおすすめしません。安い=理由があるため口コミをしっかり読んで予約してくださいね!
海外旅行保険に入る
ことイタリアに関しては、海外旅行保険は絶対に必要です。
毎月海外旅行へ行き、イタリアへ何度も渡航しているわたしですら、何度もスリに狙われました。未だに盗られていなのは運が良かっただけだと思っています。
ですので、どこの会社のどんなプランでも構いませんので、出国前にあらかじめ携行品補償が入っている保険に入っておきましょう。
わたしは、毎回入るのが手間なのと結構お金がかかってしまうという理由から、海外旅行保険が付帯しているクレジットカードを複数枚持って備えています。
海外旅行保険付きのクレジットカードを持っていない方は、ぜひこの機会に1枚作成されることを強くおすすめします。
特に、年会費無料で海外旅行保険付帯のエポスカードは作らない理由がありません。
(エポスカードというと一般的には“マルイのカード”というイメージが強いですが、実は旅行好きのあいだでは有名なカード。未所持の方は迷わず作って損はないですし、年会費のかかるカードに苦手意識がある方の選択肢はエポスカード一択です。)
パンテオンまとめ
残念ながら有料化してしまったパンテオンですが、この目で見る価値のある場所だと思います。
ローマは見どころが多くて、忙しい旅になりがちですが、ぜひとも時間を作ってこの異空間をじっくり堪能してみてください!
イタリアをもっと知る
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ローマでぜひ泊まっていただきたいのがパラッツォ ナイアディ。
1800年代の豪華な大理石のホテルは屋上テラスが素晴らしく、どんな旅行者でも大満足すること間違いなし!
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その他にもイタリアは素敵なホテルばかりなのでぜひお気に入りのホテルを探してみましょう!